アロマテラピー
嗅覚や触覚を利用して植物の力を取り入れる
アロマ(芳香)テラピー(療法)とは、植物を嗅覚や触覚を通じて体に取り入れ、心身ともに健康にしていこうとするもの。
日本で注目され始めたのは最近のことですが、古代エジプトでは医療やミイラをつくるときの防腐剤、化粧品などに植物の香油が使われていたことがわかっています。
アロマテラピーでは、植物の花や葉、果物の皮や樹皮などから抽出されるエッセンシャルオイル(製油)を使います。純度の高いエッセンシャルオイルを抽出するには、多くの時間と手間、そして大量の植物を必要とするので、10mlでも2000~10000円以上するものもあります。一見とても高価に思えますが、ローズオイルを1滴とるためには、約30個ものバラの花が必要になるということを考えると、納得できる値段では?
あまりにも価格の安いエッセンシャルオイルは、溶剤で薄めてあったり、合成香料を使ったポプリ用のオイルであることも多いものです。これらはマッサージ用として使うと肌に刺激を与え、逆効果になることもあるので注意しましょう。
エッセンシャルオイルの保存には細心の注意が必要
エッセンシャルオイルは熱や光に弱いので、遮光性の高い濃い色のガラスビンで保存すること。直射日光が当たるところに置いたり、火気や湿気が多いところも保存場所としては不適格です。プラスチックの容器に入れて保存すると、腐食する恐れもあるので注意しましょう。
さらに、揮発性が高く、空気に触れるとすぐに変質しやすい性質もあるので、使った後にはきちんと栓をしておくことも忘れずに。
賞香期間は、ベルガモットやレモンなどの柑橘系なら開封後約6ヶ月、そのほかは開封後約1年が目安です。未開封のものなら、約3年程度。サンダルウッドやパチュリなどの香水系は時間とともに質がよくなります。ただし、期限内でも濁ってきたり、香りが変わってしまったものは肌につけないようにしましょう。少量ずつ小ビンで購入し、早めに使い切るのがマルです。
また、ブレンドしたオイルも変質しやすいので、ブレンドするときは少量ずつにすることも大切です。
エッセンシャルオイルをつかうときに気をつけたいポイント
エッセンシャルオイルは有効成分が濃縮されています。ラベンダーなどの特別なオイルを除いては刺激が強いので、原液を肌につけたり、飲用したりしないこと。
薄めたオイルでも、刺激に弱い目の周辺や内耳、口の中、粘膜などにはつけないようにきをつけて。早く効果を出そうと濃度を高くしすぎると、逆効果になることもあるので注意しましょう。
使うときは、必ずパッチテストを。もし、赤くなったり、かゆみやはれがでてしまったときは、水で洗い流すだけではダメ。ベースオイルかサラダ油などの油性のものか、石けんを使わないと、エッセンシャルオイルは落ちません。
また、柑橘系のオイルは日光に当たる前に使うとしみをつくる原因になることも。妊娠中や乳幼児、病気の治療中の人も、使ってはいけないエッセンシャルオイルがあるので、事前に専門家に相談して。
アロマテラピーの方法は芳香浴とマッサージ、入浴
自宅で簡単にできるアロマテラピーの方法としては、香りを鼻から吸入して神経に働きかける方法と、毛穴や汗腺、皮膚表面からエッセンシャルオイルを浸透させる方法があります。
具体的には、直接香りをかいだり、室内に香りを拡散させる芳香浴、ホホバオイルやグレープシードオイルなどのベースオイルで薄めてのマッサージ、湯船にエッセンシャルオイルを垂らしての入浴などが、エッセンシャルオイルの代表的な使い方。エッセンシャルオイルを垂らしたお湯や水にタオルやハンカチを浸して、湿布する方法も覚えておくと便利です。
肌が敏感な人や精神的な効果を得たい人は、芳香浴
そのほかの手軽な香りの楽しみ方としては、ティッシュやハンカチ、コットンなどにエッセンシャルオイルを1~2滴垂らして直接かぐ方法がおすすめ。洗面器やティーカップに熱湯を入れ、エッセンシャルオイルお1~3滴垂らし、立ち上る蒸気を吸入する簡単な方法もあります。
長時間、広い室内に香りを漂わせるなら、エッセンシャルオイルを垂らしてたお湯を、下からろうそくや電気で加熱するアロマポットが便利。また、白熱灯を使ったスタンドに冬季や金物でできた専用のリングをはめ、そこにエッセンシャルオイルを垂らしてもよいでしょう。
香りは長持ちしませんが、精製水24ml+無水エタノール6ml(または、精製水30ml)にエッセンシャルオイルを12滴加え、オリジナルのエアーフレッシュナーを作ってスプレーする方法も。エッセンシャルオイルは水に溶けないので、スプレーは使う前に必ずよく振って使いましょう。
エッセンシャルオイルの効果
| リラックス | ラベンダー、ローマンカモミーール |
| 空気清浄 | ユーカリ |
| リフレッシュ | ペパーミント |
| 幸福感 | クラリセージ、ゼラニウム |
| 免疫力の向上 | ラベンダー、ティトリー |
| 集中力アップ | ローズマリー、レモン |
| 元気づける | ベルガモット、グレープフルーツ |
| 催淫 | イランイラン、サンダルウッド |
マッサージをするときはベースオイルで薄めてから
マッサージをするときは、必ずベースオイルで薄めます。代表的なベースオイルは、浸透性+保湿力に優れているホホバオイルや、刺激の少ないグレープシードオイル、皮膚を柔らかくするスイートアーモンドオイルなどが最適です。エッセンシャルオイル1滴=約0.05mlを目安に、0.5~1.5%の濃度に。最初は濃度の低いものから始めて、少しずつ濃度を高くしていくのがコツです。
事前に体を温めておき、部屋も暖かくしてから、オイルをてのひらで人肌に温めて肌につけます。皮膚から有効成分が浸透されるので、洗い流さないほうが効果はあがりますが、ベタベタするなら石けんを使わず、軽く水をかける程度にとどめましょう。
入浴法には全身浴と足浴や手浴などの部分浴がある
湯船にエッセンシャルオイルを5~6滴(最大10滴まで)垂らして入浴する方法は、鼻から香りを吸入しつつ、皮膚からも有効成分を吸収できます。エッセンシャルオイルは水に溶けないので、よくかき混ぜてから湯船に入ることを忘れずに。
また、エッセンシャルオイルは揮発性が高いので、1回目の効果は約30分。2番目や3番目に入る人がいるときは、それぞれ2~3滴ずつ追加します。ただし、肌への刺激が強くなるので、10滴以上入れないことは厳守しましょう。
時間がないときや風邪をひいているときは、手浴や足浴などの部分浴を試してみては?お湯が冷めたら、熱いお湯を足して温度を下げないように。
肩こりや眼精疲労・筋肉痛などには湿布を
湿布法には、42℃ぐらいの熱めのお湯でつくる温湿布と水でつくる冷湿布があります。どちらも作り方は同じですが症状によって使い分けることが大切です。たとえば、肩こりがひどいときには、マジュラムやラベンダー、ローズマリーなどのエッセンシャルオイルで、慢性的なこりには温湿布、急性的で痛みがともなう時は、冷湿布を10~20分当てるのを3~4回繰り返しましょう。
疲れ目やドライアイには、刺激の少ないラベンダーやローマンカモミールなどで、温湿布を5~10分間、両目に当てて。チクチク刺すような痛みがあるときは、冷湿布がおすすめです。
運動後の熱くなった筋肉をクールダウンさせるときは、ローズマリーやマジョラムを使って冷湿布を。軽い打ち身やねんざなどには、炎症をしずめるマジョラムやラベンダーを使うと、痛みや腫れがおさまってきます。
便秘には、ローズマリーやスイートフェンネル、バジルを使って、下腹部に温湿布をしましょう。


